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【ばんだいレポート #01|大寺五区大交流会】地域のお祭りを、今できる形で。

2026/10/12

【ばんだいレポート #01|大寺五区大交流会】地域のお祭りを、今できる形で。

2026年9月20日、磐梯町の大寺五区集会所で「大寺五区大交流会」が開催されました。

集まったのは、地区のおじいちゃん、おばあちゃんから子どもたちまで、およそ40人。焼き鳥やたこ焼きを囲みながら、大人も子どもも一緒にビンゴや花火を楽しみました。

今年は交流会の前に、初めての防災訓練も実施。さらに、大寺五区で栽培したホップを使った「極ビール」のお披露目も行われました。

地域の祭礼がコロナ禍のため中止になったことをきっかけに始まり、今年で4回目を迎えた大寺五区大交流会。その日の様子と、交流会をつくる人たちの思いを紹介します。

「ばんだいレポート」とは?
「ばんだいレポート」は、磐梯町で開かれる祭りや催しに実際に参加し、その日の様子や感じたことを、参加者の目線で紹介する読み物です。

イベントの内容だけでなく、初めてでも参加しやすかったか、どんな人たちが集まっていたか、地域の人とどんな会話が生まれたかなどを通して、磐梯町の日々の暮らしや人のつながりをお伝えします。

町の公式な開催記録ではなく、書き手一人ひとりの視点を大切にしています。移住を考えている方や、これから磐梯町に関わってみたい方に、町で暮らすイメージを少しでも届けられたらと思います。

「大寺五区」とは

大寺五区は、磐梯町にある行政区の一つです。地区内には磐梯町役場をはじめ、小・中学校、公民館、ふれあいセンター、幼稚園など、町の主要な公共施設が集まっています。施設面でも地理的にも、磐梯町の中心にあたる地区です。

かつては大寺宿の一部として、街道沿いに多くの商店が立ち並んでいました。しかし、現在営業している店舗は数えるほどとなり、地区内には長年耕作されていない農地も点在しています。

こうした地域の変化や課題に目を向け、使われていなかった農地を、そばやホップの栽培など、みんなで楽しめる活動の場へと変えてきたのが「大寺五区青年会」です。

大寺五区青年会とは

大寺五区青年会は、大寺五区を拠点に、地域の交流や行事づくりに取り組んでいる住民団体です。「青年会」と聞くと若者だけの集まりを想像するかもしれませんが、地域を盛り上げたいという思いを持つメンバーが、それぞれ仕事や家庭を持ちながら活動しています。

大寺五区大交流会の企画・運営をはじめ、耕作されていない農地を活用したそばやホップの栽培、冬季の地域除雪、歳の神などの地域行事に取り組んでいます。

https://www.instagram.com/ohtera5_seinenkai/

きっかけは、山神社祭礼の中止

大寺五区大交流会が始まったのは、2023年です。

以前は「山神社祭礼」の日に、大寺本寺を含む広い地域の人たちが集まり、一緒に祭りを行っていました。しかし、コロナ禍をきっかけに祭礼が中止となり、地域の人たちが顔を合わせる機会も少なくなってしまいました。

そのような中で、大寺五区青年会から出てきたのが、

「以前と同じ形ではできなくても、せめて大寺五区のみんなで集まれる場をつくれないか」

という声でした。

こうして、山神社祭礼が行われていた日に合わせ、大寺五区集会所で交流会を開催することになりました。

昔の祭りをそのまま復活させるのではなく、今の地域に合った形で、住民同士が集まる機会をつくる。それが、大寺五区大交流会の始まりです。

2023年の初開催から毎年続き、2026年で4回目を迎えました。

今年は初めて、防災訓練からスタート

今年の交流会では、初めての試みとして、交流会の前に防災訓練が行われました。

地区の集会所にある消火栓を使い、実際にホースをつないで放水を体験。消火器の使い方も、一人ずつ確認しながら練習しました。

普段、消火栓や消火器を目にすることはあっても、実際に使った経験がある人は多くありません。

訓練では、いざというときに誰が、どこから、どのように動けばよいのかを、地域のみんなで確認することができました。

また、防災についての講話も行われ、日頃からどのような備えが必要なのか、災害が起きたときに地域でどう助け合うのかについて考える時間になりました。

地区のおじいちゃん、おばあちゃんから子どもたちまでが一緒に参加する交流会だからこそ、防災についても世代を越えて共有できます。

楽しむだけでなく、地域で暮らす上で大切なことを一緒に学ぶ。今回の防災訓練は、これからの交流会の新しい役割を感じさせる取り組みになりました。

焼き鳥とたこ焼きを囲んで、交流会がスタート

防災訓練が終わると、いよいよ大交流会の始まりです。

会場では、大寺五区青年会のメンバーが焼き鳥やたこ焼きを用意。お酒や飲み物も含めて、参加者に無料で振る舞われました。

焼き台の周りでは青年会のメンバーが声を掛け合い、次々と焼き鳥やたこ焼きを慣れた手つきで仕上げていきます。

できたての料理を受け取り、大寺五区区長の音頭で乾杯。あちこちで会話が始まり、集会所の中はすぐににぎやかな雰囲気になりました。

普段から顔を合わせている人同士はもちろん、生活時間や世代の違いから、同じ地区に住んでいてもなかなかゆっくり話す機会がない人もいます。

こうした交流会があることで、同じ行政区だけど、なかなか合わない人とも、声を掛け合うことができます。

子どもたちは子どもたちで遊び、大人たちは食事やお酒を楽しみながら近況を話す。特別なことをしなくても、同じ地区の人たちが一つの場所に集まるだけで、自然と交流が生まれていました。

世代を越えて盛り上がる、大ビンゴ大会

交流会の途中には、恒例の大ビンゴ大会が行われました。

景品として用意されたのは、お菓子や食べ物、家庭で使える日用品など、もらってうれしいものばかり。

番号が一つ読み上げられるたびに、参加者は自分のカードとにらめっこ。「あと一つ!」「全然開かない!」と、会場のあちこちから声が上がります。

子どもだけでなく、大人も真剣です。

誰かが「ビンゴ!」と声を上げると、会場全体から拍手。抽選で決まった景品を見て一喜一憂する声が飛び交い、会場はさらに盛り上がりました。

年齢に関係なく、みんなが同じ遊びで一緒に盛り上がれるのも、この交流会の魅力です。

交流会の終盤には花火も行われました。

子どもたちが花火を手にする姿を、大人たちが少し離れたところから飲み物を片手に見守ります。普段の集会所とはまた違う、夏の終わりを感じる時間になりました。

大寺五区生まれの「極ビール」をお披露目

大寺五区大交流会は、大寺五区青年会がつくる「極ビール」を、地区のみなさんにお披露目する日でもあります。

極ビールは、大寺五区で栽培したホップと磐梯の水を使ってつくられるビールです。

きっかけは、青年会のメンバーから出た、「そばだけでなく、耕作放棄地でホップも育ててみませんか」という提案でした。

もともとビールが好きだった小野会長をはじめ、青年会のメンバーもこの提案に賛同。耕作放棄地を活用したホップ栽培と、地域のビールづくりが始まりました。

醸造は「ななくさ農園 ななくさナノブルワリー」へ委託しています。最初の醸造を経て、今年は2回目の醸造となりました。

まだ始まって間もない取り組みですが、自分たちの地区で育てたホップがビールになり、地域のみんなで味わう一杯になる。それは、単に地域のビールをつくるということだけではありません。

ホップを育て、収穫し、醸造をお願いし、完成したビールをみんなで飲む。その過程そのものが、地域の新しい楽しみや会話を生み出しています。

今年の交流会でも、2回目となる極ビールが無事に完成し、五区のみなさんに振る舞われました。

グラスを手にした人からは、ビールの味はもちろん、ホップの育ち方や今年の出来についても、さまざまな声が聞かれました。

「大寺五区でつくったビールを、大寺五区のみんなで飲む」。

2回目の醸造を迎えた極ビールは、少しずつ、この交流会を象徴する存在の一つになっています。

大寺五区青年会・小野会長に聞きました

―大寺五区大交流会を始めたきっかけを教えてください

毎年開催されていたお祭りがコロナ禍で数年にわたり中止、コロナ禍が去っても各地区のコミュニティが衰退してしまい再開が難しい状況になりました。ならば、せめて自分たちの地区だけでも盛り上げて行こうという思いで始めました。

―4年目の開催で地区のみなさんの反応に変化はありましたか

大交流会も地区の行事として定着し、気軽に参加いただけるようになりました。参加される皆さまからは、毎回、飲み切れない食べ切れないほどの差し入れをいただき恐悦至極です。また、大寺五区の活動に興味があるという地区外の方も飛び入りで参加していただいています。

―今年は初めて防災訓練も実施しました

コミュニティの高齢化は厳しい現実として存在しています。そして、災害時に役所が全てやってくれるわけではありません。地区内の顔の見えるコミュニティで、お互いを支え助け合う仕組みづくりは絶対に必要だと考え、今回から具体的な体験型訓練を始めました。

―極ビールづくりは、どのように始まったのでしょうか

ただ単に俺がビール大好きで、森くん(この記事の筆者)が移住してきて青年会に入って、森くんもビール大好きで、その昔、この地区には大寺ビールがあったんだよ、んじゃみんなで作ってみるか~というノリで始まりました。ちなみに、ちゃんとしたブリュワリーで醸造していますので密造酒じゃありません。

―これから、交流会や青年会の活動をどのように続けていきたいですか

地区のコミュニティも青年会のメンバーも年々高齢化が進んでいきます。私自身、青年会長歴35年超、来年還暦、もはや青年ではありません(笑) でも、人に本当に必要なのは、身体の若さじゃなく、心の若さ、エネルギーの高さだと思います。みんなでワイワイ集まって、いろいろやって、飲んで、騒いで、楽しんで、お互い関わり合うことで、地区や青年会のエネルギーを高めていくこと。これをずっと続けていく大切な活動だと思っています。

地域の人たちが、自分たちでつくる交流の場

大寺五区大交流会は、町全体を対象にした大きなイベントではありません。

一つの行政区の住民が、自分たちのために、自分たちでつくっている地域の集まりです。

焼き鳥やたこ焼きを準備する人、会場を整える人、ビンゴの景品を用意する人、ホップを育てる人、子どもたちを見守る人。

それぞれができることを持ち寄ることで、交流会がつくられています。

移住を検討するときには、住まいや仕事、交通、買い物といった条件が気になります。しかし、実際に地域で暮らしていく上では、「どんな人たちが暮らしているか」「地域の中にどんな集まりがあるか」も大切な要素です。

同じ地区に住む人と顔を合わせ、名前を知り、一緒に笑う。

防災訓練では、いざというときに助け合うための準備をする。

耕作放棄地で育てたホップを、地域の新しい楽しみに変えていく。

大寺五区大交流会には、磐梯町での暮らしを考える上で大切な、地域のつながりが表れていました。

以前と同じ祭りを、そのまま復活させることはできなくても、今の暮らしに合った形で、新しい地域の行事をつくることはできます。

大寺五区大交流会は、これからも五区のみなさんが顔を合わせる大切な一日として、少しずつ形を変えながら続いていきます。

イベント概要
イベント名:大寺五区大交流会
開 催 日:2026年9月20日
会   場:大寺五区集会所
主   催:大寺五区青年会
参 加 者:約40人
主な内容 :防災訓練、飲食の振る舞い、大ビンゴ大会、花火、極ビールのお披露目

この記事を書いた人

森 拓哉

福島県二本松市出身。2021年に会津若松市から磐梯町へ移住。大寺五区の空き家を購入し、自らリノベーションして暮らしている。現在は大寺五区青年会に所属し、大交流会や「極ビール」づくりにも携わっている。一般社団法人ばんだい振興公社に所属し、移住定住や空き家対策・不動産、未日常の運営に関わっている。

書いた人からひとこと

僕が磐梯町で物件を探していたとき、大寺五区に住む知人を通じて、大寺五区青年会の活動を知りました。 

行政区内の耕作されていない農地をみんなで耕してそばを栽培したり、冬には高齢者世帯の除雪を「ジョセササイズ」と言って楽しんだり。その活動を知り、「なんてかっこいい大人たちが磐梯町にいるんだ」と思いました。 

その後、たまたま大寺五区に物件が見つかり、購入してリノベーション。ここで暮らし始め、今では僕自身も青年会の一員として活動しています。移住する前は、家や仕事、買い物などの条件に目が向きがちです。でも実際に暮らしてみると、「地域にどんな人がいて、どんなことを面白がっているか」も、とても大切だと感じます。

極ビールづくりも、僕が「そばだけでなく、耕作放棄地でホップも育ててみませんか」と提案したことから始まりました。それを面白がり、実際に形にしてしまう人たちが大寺五区にはいます。

大寺五区大交流会や極ビールづくりを通して、大寺五区の人たちの雰囲気や、ここで暮らす面白さが少しでも伝わればうれしいです。

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